勢いで立ち上げた事業失敗で借金300万円。多重債務者だった苦しい生活を変えてくれた債務整理
たぬきさん(48歳 会社員 女性 埼玉県)からいただいた債務整理体験談です。
自分で仕事を立ち上げて自営業として働き出したたぬきさん。
しっかりとした計画性をたてずに、勢いで独立したため資金繰りが大変な状況に陥ってしまいます。
立ち上げた仕事の他にもアルバイトをしながら生計をたてていましたが、気がつけばクレジットカードでの借金は300万円に膨れ上がってしまっていました。
みんなの債務整理体験談メモ
お名前:たぬきさん(仮名)
性別:女性(48歳)
職業:会社員
地域:埼玉県
債務整理方法:任意整理
借金の原因:生活費
債務整理時の借金総額:300万円
綿密な計画を建てずに独立した結果多重債務者に
私が多重債務に陥った原因は、自分の計画性のなさや、性格の甘さでした。
当時勤めていた会社の仕事が大好きで、同じ職種で自営業をやってみようと思い立ちました。
本当に勢いだけで始めたことでしたから、そのためにお金を貯めていたとか、計画を練っていたとかは全くありませんでした。
とにかく行動が大事だと思いました。
資材を仕入れ、製品を納品し、代金をいただき、それを支払いに充てる。
自転車操業ではありましたが何名かのお客様もつき張り合いもありましたが、いかんせんこれだけでは食べていけずアルバイトもしながらでした。
そうしていくうちに、どちらが本業なのか中途半端になっていきました。
キャッシングで生活費を賄う日々
生活費は毎月ギリギリで、足りない生活費をキャッシングでまかなうようになっていきました。
その当時はクレジットカードを2枚持っていて、もっぱら買い物での利用でそれまではカードローンとかキャッシングはしたことがありませんでした。
そうこうしているうちに自営業は3年でたたみました。
アルバイトを2~3掛け持ちする生活で月の収入は20万円そこそこ。
返済は10万円近くなっていました。
どう考えても破綻しています。
ですが、そんな私でも支払いさえ滞っていなければ新しくカードを作ることもできてしまうのでした。
あの当時は、自分なりに返済計画をねってまだ自分の力で返しきれると思っていました。
ですが、それは自分の性格を棚上げし、現実を見ていない者の考えることでしかなかったのです。
どんどん増えていく借金返済のためのクレジットカード
返済のために新しくカードを作る。
生活の真ん中に返済があり、まっとうな考えができなくなっていたのでしょう。
仕事にしてもまだ30代半ばでしたから、正職につき生活を安定させるという選択肢もありました。
ですが、新しい環境にはいれば収入の目処がいままでと違ってしまいます。
すべてにおいて考えが後ろ向きになっていたのです。
家族や友人に相談するのはとても勇気がいり、自分の恥をさらすようでできませんでした。
この頃、私はカードを5枚所持。
借金の総額は300万円でした。
多重債務者になってしまった私が債務整理を決意した瞬間
世間では、私のような状況に陥っている人が多くいたのでしょう。
電車の中釣り広告やテレビCMでも弁護士事務所の債務整理、自己破産、相談無料という文言が出はじめていました。
私はこの期に及んでもまだ、そういう救済手段に手を出す気にはなっていませんでした。
それに、すっかり後ろ向きになっていますから、相談無料とはいっても弁護士事務所や司法書士事務所の敷居は高いものです。
臆してしまうところもありました。
そんな私が、債務整理にふと心が動いたのはなんでだったのか。
「債務整理しようかな」
ふとそんな言葉が心に降りてきたのです。
本当にそうだったのです。
踏ん張って、やせ我慢して、外ではにこにこしていても、心は本当に疲れていたのだと思います。
債務整理を後押しした生活の変化とは
そんな折、姉夫婦と同居していた実母を引取り一緒に暮らすことになり、それが後押しになりました。
母と暮らしていくのなら、いつまでも自分の問題だけで汲々としているわけにはいかない。
一度、考えが芽生えるとそんな情報が目にとまるもので、私の住む市の毎月の広報紙に市で開いている様々な相談窓口の一覧が掲載されていました。
債務整理相談の窓口も週に1回ひらかれていました。
市役所なら敷居も低く、どんな解決策があるのかいろいろお話が聞けるかもしれない。
すぐ、相談の予約をいれました。
市役所で借金に関する無料相談
予約当日、窓口に赴き簡単に今の状況を話しました。
市役所の相談窓口の方は、親身な優しいかたで、「来てくれて本当によかった。当日になってこない方が結構いらっしゃるんですよ。」とお話ししてくださり、県庁で月に2回ほど定期的にひらかれている借金の相談窓口を紹介いただきました。
それは、県で依頼している弁護士さん何名かがブースで個人個人の話をきき、その人の状況にあった解決策について説明をしてくれるものです。
もちろん無料です。
その場ですぐに予約をいれるように言われ、相談員の方の見ている前で予約窓口に電話をし予約をしました。
きっと、そうさせずにそのまま帰してしまうと、当日来ないという人と同じように、その後予約の電話をせずにそのままなにも変わらないことを危惧されてのことだと思います。
帰りがけ、相談員の方に「来てくれて本当によかった。必ず相談会にいってくださいね」とこれもまた優しくでもきっぱりと言われました。
県庁での相談の流れは、それぞれ弁護士さんのデスクがあり、相談が済み相談者が席を立つと係員の方があいた弁護士さんのデスクに次の相談者をうながすような流れだったと記憶しています。
一応、現状を説明するのに役立ちそうな資料(通帳、請求書等)を持参し、自分の現状を説明しました。
私はどうしても返したいという考えが強くあったので、任意整理で進める意思が固いことをお話し、その場でこのまま手続きに入ることを決めました。
実際の手続きは後日、担当してくださった弁護士さんの事務所に伺い話を詰める段取りでした。
弁護士事務所にいく日時をとりきめ、県庁を後にしました。
弁護士事務所での債務整理の手順と内容
弁護士事務所での話の要点は
-
○現在の毎月の収入額
○現在の毎月の返済額
○調停後の毎月の返済可能額(生活が成り立つ範囲で無理のない頑張れる額。)
○弁護士費用とその支払いについて
これらの具体的な数字を聞き取ったうえで弁護士さんが提示なさった条件で話を決めました。
実際に弁護士が調停にはいると各ローン会社との話がとり決まるまで3ヶ月くらいかかるのでその間は返済はストップします。
その返済がストップしている期間に弁護士費用を返済可能額内の金額で分割3回での支払いとなりました。
この後の弁護士事務所とのやりとりは電話と郵送物でした。
そして、5件のローン会社との調停が順々にきまっていき、そのつど事務所から報告の電話をいただき、後日書類が郵送されてきました。
5件の返済期間は最短で1年、最長で5年。
毎月の返済額の合計は7万円。
自分が頑張れる返済可能額内でした。
書類はすべて処分してしまったので正しい文面を引用できませんが、甲と乙との約定で○○年○○月より毎月△△¥を○○年○○月まで支払うものとする。
というような内容であったと思います。
もちろん毎月の請求書や支払い通知などは来ません。
そして、一度でもこれが滞るとその滞らせた会社への返済を一括で払わなければなりません。
これはこれで重圧ですがやりとげなければなりません。
無理のないように設定していただいているのですから。
1件、終わるたびに心のつまりが取れ少しずつ自由になっていく気分でした。
債務整理をして感じたこと
私は48歳の独身の女性です。
債務整理をして本当に良かったと思っています。
いま身の丈に合った生活をしている喜びがあります。
すべては自己責任でいくらでもよくできるのです。
30代後半からの30代の時間をすべて借金の返済に費やし、利息分もふくめその返済額。
その費やした時間とお金を考えると、もうどうすることもできない過去に憂鬱になるときもありました。
それもこれも、自分の甘さがまねいた事です。
ただ、自営業を始めた事は後悔していません。
すべてが間違っていたわけではないのです。
今一歩踏み出すことで、有意義に使えるご自身の未来の時間とお金ができるのです。
たぬきさん(48歳 会社員 女性 埼玉県)
たぬきさんの借金内訳と債務整理後の状況
たぬきさんの借金の内訳と債務整理を行ったことでどのように状況が好転したかを見てみましょう。
借金内訳
借金総額:300万円
クレジットカード:
セゾン:50万円
JCB:50万円
消費者金融:
アイフル:150万
他消費者金融2社:50万
借金開始から債務整理着手までの期間:約10年
債務整理後の状況
残債務:不明
返済計画:(期間)5年(最短1年)(返済)月7万円
債務整理に踏み切った理由:
実母との同居をすることになりきちんとしようと思ったため。
債務整理をした時期:2006年3月頃
債務整理のお陰で感じることが出来た身の丈にあった生活の喜び
勤めていた会社の仕事内容にやりがいを感じていたたぬきさんは、勢いだけで独立をしてしまいます。
しっかりとした計画を立てずに独立してしまった結果、メインの仕事だけでは生活が難しくなり、アルバイトを掛け持ちしながらなんとか生活をしていました。
しかし、次第に本業の収入が覚束無くなり、メインの収入源がアルバイトの仕事に切り替わってしまいます。
自営業として始めた仕事は3年で畳むことになりましたが、その際に発生した支払いの返済は未だ残っている状態だったため、月々の収入の半分近くを借金の返済にあてる生活が始まります。
次第に生活も苦しくなっていき、たぬきさんはカードのキャッシングに手を出すようになり、気がつけば借金は300万円にまで膨れ上がってしまいました。
返済のために借金をするようになってしまった生活に限界を感じたたぬきさんは、債務整理をすることを決意します。
市役所と県庁で行っていた借金問題に関する無料相談に出席し、弁護士に債務整理を依頼することになったたぬきさんは任意整理を希望します。
無事に任意整理が終わったたぬきさんは着実に借金を返済し続け、無事に完済することが出来ました。
300万円という大きな借金でしたが、しっかりと返済を終わらせることが出来たようですね。
おめでとうございます。
自己破産ではなく任意整理を希望していたことからたぬきさんの責任感の強さが感じられました。
勢いだけで事業を立ち上げた結果の借金でしたが、計画性の大切さを学ぶことが出来たのではないでしょうか。
現在は幸せに暮らしているとのことですので、今後は借金をすることがないように気を付けて欲しいと思います。
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