仮想通貨の投資事業に失敗し借金1200万円。人生を再スタートするために自己破産をした体験談

ハクさん(41歳 不明 男性 東京都)からいただいた債務整理体験談です。

仮想通貨の投資事業をしていたハクさん。

セミナーを開き、顧客を獲得しますが、相場が急落したこで多額の借金を背負うことになります。

総額1200万円の借金の返済の困ったハクさんは債務整理のために弁護士事務所で相談をすることに決めました。

みんなの債務整理体験談メモ

お名前:ハクさん(仮名)
性別:男性(41歳)
職業:不明
地域:東京都
債務整理方法:自己破産
借金の原因:ビジネスの失敗
債務整理時の借金総額:1200万円


個人事業に失敗して自己破産の申し立てをしました

私は2014年頃から、東京都内で投資関連の個人事業を展開していました。

ビットコインなどの仮想通貨を顧客に紹介して、仮想通貨を顧客に転売するビジネスです

そのために、会場を借りて個人投資家向けにセミナーを開催していました。

そして、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨が将来有望であることを、仮想通貨の日足チャートや仮想通貨に対しては中国人の富裕層からの需要が強いことなどをグラフに示して説明したのです。

広告費を投じて仮想通貨のセミナーを開催

セミナーに顧客を呼び込むために、頻繁に大手新聞の朝刊に広告を出しました。

「いまこそ仮想通貨だ!」という見出しをつけて、投資セミナーの開催を告知したのでした。

会場は東京都心の古いビルの会議室を借りましたが、それでも20万円くらいは会議室のレンタル料はかかってしまいます。

しかし、100名程度入れる会議室には、毎回80名くらいはセミナーに参加していただき、大盛況となったのでした。

私のビジネスの主目的はセミナーを開催して、仮想通貨への投資は夢があることを説明することではありませんでした。

あらかじめ私個人名義で多くの仮想通貨を購入しておき、これをセミナーの参加者に転売することを目的としていたのです。

銀行のカードローンを利用して仮想通貨を購入

そのために2014年からは頻繁に銀行のカードローンで借金をしては、仮想通貨の購入代金に充てていました

仮想通貨をお客様に転売すると、私が銀行に借金を返済できるという仕組みです。

セミナーに参加してもらうと、参加者のうち10%くらいの人が仮想通貨への投資に対して前向きになられます。

そのような方たちには、セミナーが終わったあと個別面談をやらせていただくのです。

そして、仮想通貨への投資には前向きな気持ちを抱いたが、どうやって買ったらわからないという方に対して、私があらかじめ仕入れておいた仮想通貨をお客様に転売するという方法をとったのでした。

そして、仮想通貨の価格がどんどん上昇し、短期間で数倍にまで上昇する仮想通貨が現れたのです。するとセミナーに参加いただいたお客様から、電話やメールで連絡をいただく回数が増えていき「仮想通貨をいまから買いたい」と言われる頻度が増えていったのです。

私には手元資金が枯渇していましたが、銀行のカードローンから借りられるだけお金を借りて、仮想通貨を買いまくりました。

お客様には仮想通貨の価格に対して10%の手数料を上乗せして転売できる契約になっていましたので、購入希望者が増えるということは、私の収入が増えていくという仕組みだったのです。

仮想通貨が突然大幅値下げ

ところが状況が暗転してしまったのです。

仮想通貨の価格が大暴落を起こしてしまったのです。

お客様から私への購入希望が殺到した日から2週間後、いっせいにあらゆる仮想通貨が大暴落してしまいました。

中には一気に3分の1の価格にまで暴落した仮想通貨まで現れたのです。

この現象をニュースで知ったお客様からは電話やメールで、購入キャンセルの連絡が次々とやってきました。

キャンセルを断ることのできない仕組みでビジネスをやっていましたので、私は大幅に値下がりした仮想通貨を抱えた状態に陥りました。

そして、銀行のカードローンの残高1200万円に対して、仮想通貨の残高が400万円という状況に陥ってしまったのでした。

期待に反して上がらない仮想通貨の価格

しかし、私は仮想通貨の市場はやがて回復し、再び上昇トレンドに復帰するだろうと強い期待感をいだきました。

なぜなら中国人の富裕層が仮想通貨を購入することによって、自分の資産を海外へ逃避させているという話を聞いていたからです。

ところが、仮想通貨の市場は回復しなかったのです。

毎日毎日、仮想通貨の値動きを見ていては、胃が痛む日々が続きました。

お客様からは購入キャンセルの連絡以外に「話が違うじゃないか」とか「夢なんか、ないじゃないか」などクレームの嵐が殺到しました。

私は仮想通貨の価格が回復するまで、セミナーの開催を取りやめにしました。

そして今後の先行きを考えるようになったのです。

3社からの借り入れで多重債務状態に

この時点で、住信SBIネット銀行から500万円、オリックス銀行から400万円、ソニー銀行から300万円のカードローンを借りていました。

多重債務状態となっていました。

2014年から借金を始めて2年間自転車操業を繰り返して、合計1200万円も借りてしまったわけです。

私は、仮想通貨の市場はこれからさらに上昇を続けていくと妄想を抱いていたことが失敗の原因だと気がつきました。

昔のオランダのチューリップバブルと同じ夢を私は見ていたのです。

問題先送りは不可能だと思いました。

それに気がついたとき、私はカードローンを全額返済することは不可能だと悟りました。

仮想通貨の投資事業に失敗し借金1200万円

法律事務所で自己破産の申請手続き

そこで、インターネットで自己破産について調べ、東京ロータス法律事務所という債務整理について専門らしい法律事務所に相談することにしたのです。

そして、事務所を訪れて、現在の自分の借金の金額や、借金に至った経緯などを説明し、どうすればいいかを相談しました。

弁護士の先生は、クレジットカードを数年間使えなくなったり、新たに借金ができなくなることを覚悟できるのであれば自己破産をお勧めすると言われました。

私はその場で自己破産でお願いしたいと申し上げ、弁護士と契約書を交わし、委任状を提出しました。

自分の借金総額や内訳、自分の資産の内訳などをすべて書面に記載して、陳述書という書類も書いてもらいました。

そのうえで弁護士に東京地方裁判所に出向いてもらい、自己破産の申し立てを行ったのです。

自己破産をして再スタート

3ヶ月ほど手続きに時間がかかりましたが、最終的には免責が決定され、私の借金は0円となりました。

その代わり、私が持っていた仮想通貨は没収され、当面の生活費以外のお金も失いました。

完全に身軽な状態となりましたが、家賃の安いアパートに引っ越して、新たに人生を再出発させようと決意することができました。

自己破産して良かったと考えています。

ハクさん(41歳 不明 男性 東京都)


ハクさんの借金内訳と債務整理後の状況

ハクさんの借金の内訳と債務整理を行ったことでどのように状況が好転したかを見てみましょう。

借金内訳

借金総額:1200万円
銀行のカードローン:
ソニー銀行:300万円
オリックス銀行:400万円
住信SBIネット銀行:500万円
借金開始から債務整理着手までの期間:約2年

債務整理後の状況

残債務:0万円
返済計画:自己破産のため免責
債務整理に踏み切った理由:
毎月の返済ができず滞納してしまった。闇金融から金を借りるつもりはなかったため自己破産しか方法はなかった。
債務整理をした時期:2016年6月頃

人生をやり直すための自己破産

仮想通貨の投資事業を始めたハクさん。

セミナーを開くための資金や、仮想通貨を購入するための資金を銀行のカードローンで1200万円を借り入れしていました。

セミナー自体は順調でしたが、仮想通貨の価格が暴落してしまい、購入当初の相場よりも1/3まで下がってしまいます。

顧客からもキャンセルが相次ぎ、多額の負債を抱えてしまったハクさんは、返済が不可能だと判断し、法律事務所で債務整理の依頼をすることに決めました。

借金の額が非常に大きいため、自己破産での債務整理を選択したハクさん。

手続きに数ヶ月かかりましたが無事に自己破産の申請が認められ、人生の再スタートを切ることが出来ました。

投資事業は相場の動き次第で大きく左右されます。

仮想通貨も値上がりが続いてるので、時期が悪かったのかもしれません。

最近では仮想通貨関連の詐欺問題も話題に上がっているので気を付けたいところです。

借金が大きすぎる場合、任意整理よりも自己破産をした方がその後の人生をやり直しやすいことも多いです。

一人で悩んでいては中々債務整理をする決心がつきにくいので、早い段階で身近な人や専門家に相談することをオススメします。