事業に失敗して借金280万円。債務整理で自己破産して免責になった体験談
心理カウンセラーゼロさん(33歳 会社員 男性 東京都)からいただいた債務整理体験談です。
ゼロさんは、心理カウンセラーの事業を始めるために消費者金融から借金をします。
無事に開業することは出来ましたが中々客が集まらず、次第に家賃を滞納するように。
事業継続のために無茶な資金繰りをしますが、万策尽きたゼロさんの手元には280万の借金だけが残る結果に…。
みんなの債務整理体験談メモ
お名前:心理カウンセラーゼロさん(仮名)
性別:男性(33歳)
職業:会社員
地域:東京都
債務整理方法:自己破産
借金の原因:事業継続のための無茶な借金
債務整理時の借金総額:280万
事業が失敗してたった1年で自己破産。残ったのは借金280万円
私は、30歳までは社員数が50名程度の工務店に勤務していましたが、以前から自分には適さない職業だと感じていました。
自分は、人と話をするのが好きで、友人の話にあわせて会話をするのが子供の頃から得意でした。
そして、友人の悩みを聞いてあげて、友人の立場になりきってアドバイスをしてあげると、とても喜ばれていました。
そんな状況が社会人になってからも続いていたものですから、自分の得意分野はカウンセラーになることだと思い込み始めたのでした。
そして、30歳のときに思い切って工務店を退職することにして、東京で心理カウンセラーとして開業しようと決意したのでした。
心理カウンセラー開業の理由
なぜ心理カウンセラーになろうと思ったのかという理由ですが、資格を取得する必要がないからです。
心理カウンセラーというと、場合によっては、自分の言葉によって相談者の人生を大きく左右してしまう可能性さえある重要な職業だと思いますが、なぜか行政の管轄下にはおかれていないのです。
つまり、私が「心理カウンセラー」と名乗ってしまえば、私は心理カウンセラーとして開業できるのです。
そして、私が東京で開業しようと思った理由は、それまで大阪府枚方市の工務店に勤務していたからです。
ですから、私の前歴を知らない人の多い土地で開業すべきだと判断しました。
開業資金集めの計画
ただし、問題な点は開業資金です。
心理カウンセラーは比較的開業資金が少なくて済むビジネスですが、それでもホームページを作ったり、最低限の広さを持ったオフィスを借りたり、オフィスの内装工事をしたり、広告宣伝をする必要があります。
工務店に勤務していたときは年収が400万円台でしたから、とても貯金などできる状態ではありませんでした。
私は30万円程度のわずかな手元資金を持って、東京に出てきたのです。
当然、この手元資金は東京での私自身のアパートを借りるときの費用として消えてしまいましたので、心理カウンセラーとして開業するには金融機関などから借金をする必要があります。
借金をするには、私が定収入を得ている必要があります。
このため、開業資金を用意できてから工務店を退職するつもりでいました。
中々見つからない融資先
そして、私は最初に創業資金を融資している日本政策金融公庫へ相談に行きました。
しかし、政策金融公庫からは心理カウンセリングというビジネスは公益性は低いし、当然ながら飲食業や理容業など社会生活に関わるビジネスとは異なるということで、融資を断られてしまいました。
私は次に、同じく創業融資を手掛けている東京都へも相談に行きました。
すると、東京都からも同じような理由で創業資金の融資を断られてしまいました。
私はできるだけ低い金利で開業資金を借りたいと思っていましたので、地方銀行や信用金庫にも相談してみました。
地方銀行からは相手にされませんでしたが、信用金庫からは不動産などの担保を出せるなら融資しても良いといっていただきました。
しかし私には資産がありませんので、信用金庫からの借り入れも断念せざるをえませんでした。
消費者金融からの融資
私はついに消費者金融から借りることにしました。
インターネットで調べたところ、消費者金融といっても数社しか検索されません。
私はプロミスからお金を借りることにしました。
そして、審査がとおって、100万円を借りることができました。
開業に関する支出をできるだけ抑えることにしました。
事業のスタート
心理カウンセリング相談室として利用するオフィスは、東京都渋谷区のワンルームマンションの1Fを借りることにしました。
広さが10坪で、家賃は15万円でした。
敷金と礼金などで60万円が出ていきました。
このため、ホームページを安い値段で作成し、メールアカウントを取得し、開業体制を整えました。
そして私は工務店を退職し、当初は会社を作らずに個人事業主としてビジネスを始めることにしたのです。
2013年のことでした。
増えてくれない顧客
東京の渋谷区は、若い人が多い街です。
まずは駅前に出て、心理カウンセリング開業とプリントしたティッシュを配りました。
合計で1万個配りました。
すると、お客さんから電話をもらえるようになりました。
3か月経過すると、お客さんが20名くらい来てくれました。
しかし、20名程度ではまったく資金繰りが間に合いません。
プロミスへの毎月の返済と家賃の支払いだけで17万円必要です。
私は、ポケットティッシュを3万個追加発注して、渋谷のハチ公前で毎日配り続けましたが、資金繰りが改善するほどお客さんは増えてくれませんでした。
遂に始まった家賃の滞納
心理カウンセラーとして改行してから6ヶ月後、ついに借りているワンルームマンションの家賃を延滞してしまいました。
それ以降、不動産仲介会社から家賃の振り込みを求める電話が毎日のようにかかってくるようになりました。
私は仕方なくクレジットカードのキャッシングを利用して15万円借り、家賃を支払いました。
クレジットカード会社へ返済する資金も尽きかけていました。
そして、さらに2か月後に再び家賃の支払いを延滞しました。
無理な資金調達と増える借金
私は、クレジットカードのショッピング枠でブランドバッグを購入し、それをただちに質屋に質入れして、70万円を借り入れました。
質屋の金利は1ヶ月で2%です。
残りのお金でクレジットカードのキャッシングのお金を返済しました。
私はもはや終わりだと思いましたが、できるだけのことはやろうと思ったのでした。
2014年の春になり、とうとう資金繰りに万策が尽きてしまいました。
そして夜逃げをしようと思いましたが、そんなことをしてしまえば、将来の再就職や新たな事業立ち上げのときに支障をきたしてしまいます。
私は借金を整理するために、弁護士に相談することにしました。
弁護士に借金の相談
この時点で、借金の内訳はプロミスが90万円、セゾンカードが100万円、ワンルームマンションの保証会社が90万円となっていました。
私はインターネットで調べて、日本弁護士連合会の法律相談に予約の電話を入れて、借金について相談をしました。
そして、これまでの経緯を説明し、事業継続の目途が立たないにもかかわらず、無理に無理を重ねて借金を積み上げてしまったと話しました。
弁護士は苦笑いをしましたが、すぐに表情を変えて、「今後は無職となるのですね?」と尋ねてきました。
そこで私が、債務整理に目途が立てば、まずは再就職して再起を図りたいと話しました。
弁護士からは当面無収入となるのであれば、自己破産の申し立てしか方法がないと思うと言われました。
そのため私は、正式に債務整理を得意分野としている「白川勝彦法律事務所」を紹介してもらいました。
法律事務所での自己破産手続き
法律事務所に生まれて初めて出向きましたが、一般企業よりも静かな雰囲気で、応接室には法律関係の専門書がびっしり書棚におさめられていました。
そして、あらためて白川弁護士に自己紹介し、借金の経緯を説明し、その当時の私の状況を説明したうえで、自己破産の申し立てを依頼することになりました。
まずは白川弁護士からは自己破産手続きの費用や弁護士への報酬についての説明を受けました。
そのうえで、自己破産の手続きについて説明を受けました。
そのうえで私は委任状を弁護士に提出したのです。
それからは、自己破産の申し立てをするために、自分の住民票を取得したり、債権者一覧表や陳述書、家計の状況といった書類を作成しました。
そして、自己破産の申し立てから2か月後、破産手続きが開始され、免責が許可されました。
私の借金残高はゼロとなったのでした。
振り返って思う反省点
いま振り返れば、事業の継続性については最初の6か月の時点でわかり切っていたはずなのに、意地になって無茶な資金繰りをしたことが破滅の要因だったと思っています。
この点は、大きな反省点だと考えています。
心理カウンセラーゼロさんの借金内訳と債務整理後の状況
心理カウンセラーゼロさんの借金の内訳と債務整理を行ったことでどのように状況が好転したかを見てみましょう。
借金内訳
借金総額:約280万円
クレジットカード:
セゾンカード:100万円
消費者金融:
プロミス:90万円
ワンルームマンションの保証会社:90万円
借金開始から債務整理着手までの期間:1年3ヶ月
債務整理後の状況
残債務:0円
返済計画:自己破産で免責
債務整理に踏み切った理由:
ビジネスの資金繰りが完全に行き詰まり、資金調達手段を喪失したため。
債務整理をした時期:2014年6月頃
事業の失敗で自己破産。免責で借金が0に
心理カウンセラーの事業を立ち上げたゼロさんですが、特殊な職種ということもあり、公的機関の融資や銀行からの融資が下りずに消費者金融から100万円の融資を受けることに。
開業に関する支出を出来るだけ抑えるようにはしましたが、開業後も中々客は集まらず、僅か半年後には家賃の滞納をしてしまいます。
クレジットカードのキャッシングや質屋から借り入れを行うなどをしながら資金繰りに奔走しますが、万策尽きたゼロさんの手元には280万円の借金だけが残る結果になってしまいます。
債務整理のために法律事務所に相談をしたゼロさんは、当面無収入となることを理由に自己破産の申請を勧められます。
最終的に、債務整理に強い法律事務所を紹介されたゼロさん。
自己破産の申し立てから2か月後に破産手続きが開始され、裁判所から免責が許可され280万円の借金が0になりました。
夜逃げも考えてしまったゼロさんですが、踏みとどまり債務整理を選択しました。
無事に自己破産の申請が認められて本当によかったですね。
今回の失敗を活かし、再出発した人生を良いものに出来ることをお祈りしています。
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